大崎半島にまつわる歴史と謎〜文献から読み解く大崎半島〜

更新日:2023.12.14

瑠璃の水辺 編集部

瑠璃の水辺 編集部

くぐり岩

 【この岩穴、入口横4間(約7m)、入ると7間(約12m)。これより先、一騎通りの所長さ5間(9m)、横3尺(90㎝)、高さ1丈(3m)、通り抜けの穴なり。】

(大村郷村記より抜粋)

大崎キャンプ場から先に、海岸沿いに遊歩道が整備されている。
歩き進める途中にある。危険防止のため、残念ながらくぐり抜けることはできないが、廻りこんで抜け口を確認することができる。 

水取の浦(?)

【大崎山頂上より流れ出る處の渓川あり。水勢強く瀧のように落る也。磯邊に水溜あり。大躰廻4間位、深さ3尺餘。船行のもの共、水を汲む。故に此處を呼て、水取の浦と云ふ。】

(大村郷村記より抜粋)

遊歩道の最終地点・東屋の近くにある。距離と位置からそれらしき痕跡を見つけた。
おそらくこれが水取浦なのではと思われる。
郷村記によると、大崎半島の頂上から流れる渓川があったようだ。
海に向かって水が流れていた痕跡は確認できる。
水取浦は用水のためにこの川の水を貯めていた所なのかもしれない。

※大村郷村記とは、
江戸時代の大村藩領内の48ヶ村(竹松村・福重村・松原村・萱瀬村・鈴田村・三浦村・大村・彼杵村・川棚村・波佐見村・彼杵村・千綿村・時津村・浦上西村などなど)の大村湾沿岸の全村の地理、歴史、神社仏閣の由緒、名所旧跡、伝説、産業などを幅広く収録したもの。
江戸時代の大村藩が約180年間(1681~1862)かけて編纂した大村領内全村の総合調査報告書である。

川棚町史談会 古川恵美 著